このブログでは二次試験(事例Ⅲ/事例Ⅳ)についても説明していますので、参考としてください。

財務・会計 ~キャッシュ・フロー計算書(1)営業CF~

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今回は、「財務・会計 ~キャッシュ・フロー計算書(1)営業活動によるキャッシュ・フロー~」について説明します。

 

「キャッシュ・フロー計算書」は二次試験(事例Ⅳ)で出題される論点のため、一次試験の段階からしっかりと勉強しておきましょう。

 

キャッシュ・フロー計算書(一次試験) -リンク-

一次試験に向けて「キャッシュ・フロー計算書」について説明しているページを以下に示しますのでアクセスしてみてください。

 

 

キャッシュ・フロー計算書(二次試験) -リンク-

二次試験(事例Ⅳ)に向けた「キャッシュ・フロー計算書」の記事は、以下のページに整理していますので、アクセスしてみてください。

 

 

キャッシュ・フロー計算書

「キャッシュ・フロー」とは「キャッシュ(資金)」の「フロー(流れ)」であり「資金の収入・支出」を示しています。

「キャッシュ・フロー計算書」は、企業の一会計期間における「資金の収入・支出」の状況を報告する財務諸表であり、「貸借対照表」や「損益計算書」と同様に、株主を始めとした利害関係者が、企業の経営状況を知るために重要な情報源です。

「キャッシュ・フロー計算書」では「資金の収入・支出」を「営業活動」と「投資活動」と「財務活動」に区分して表示します。

 

  • 営業活動によるキャッシュ・フロー
  • 投資活動によるキャッシュ・フロー
  • 財務活動によるキャッシュ・フロー

 

営業活動によるキャッシュ・フロー

「営業活動によるキャッシュ・フロー」は、企業が本来の営業活動によってどれだけの現金を稼いだかを表しているため「プラス」であるべきです。

仮に、「営業活動によるキャッシュ・フロー」が「マイナス」となっている場合は、企業活動を継続するための資金が減少しており、金融機関からの借入金等により経営を継続している状況となっていることを示しているため、早期に改善しないと資金が枯渇してしまい、倒産に追い込まれてしまいます。

 

営業活動によるCFに区分される項目

「営業活動によるキャッシュ・フロー」に区分される主な項目を以下に示します。

 

  • 商品及び役務の販売による収入
  • 原材料、商品及び役務の購入による支出
  • 人件費支出
  • その他の営業支出
  • 投資活動や財務活動に該当しないキャッシュフロー
    (災害による保険金収入、損害賠償金の支払額、法人税等の支払額など)

 

営業活動によるCFの表示方法

「営業活動によるキャッシュ・フロー」の表示方法には、「直接法」と「間接法」の2種類の方法があり、継続適用することを条件に選択適用が認められています

「間接法」は企業の経営分析に利用しやすいというメリットがあるため、中小企業診断士の試験で頻繁に出題される「間接法」についてのみ紹介することとします。

 

営業活動によるキャッシュ・フロー(間接法)

 

表中の「加減算」欄の見方は以下の通りです。

 

 

 

営業活動によるCF(間接法)の算出方法

「間接法」では、損益計算書の「税引前当期純利益」に「Step1.非資金損益項目の調整」「Step2.営業外損益と特別損益の調整」「Step3.営業活動に関連する資産と負債の増減に関する調整」を行って「小計」を算出します。

その後、「Step4.投資活動や財務活動に該当しないキャッシュ・フローの調整」を行って「営業活動によるキャッシュ・フロー」を算出します。

一次試験では「営業活動に関連する資産(売上債権、棚卸資産)および負債(仕入債務)の増減により営業活動によるキャッシュ・フローが増加するのか、減少するのか」という観点で出題されることが多く、二次試験(事例Ⅳ)では「財務諸表から営業活動によるキャッシュ・フローそのものを算出して問題点を指摘すること」が出題されます。

 

営業活動によるキャッシュ・フロー(間接法)

 

Step1.非資金損益項目の調整

非資金損益項目の調整では「減価償却費」「繰延資産償却」といった「資産の償却費用」「貸倒引当金」「退職引当金」などの「引当金の計上額」について調整を行います。

「資産の償却費用」や「引当金の計上額」は、損益計算書で費用として計上しますが、実際に現金支出を伴う内容ではないことから、その差額について調整を行う必要があります

「減価償却費」や「繰延資産償却費」は、その計上額を「加算(+)」します。

「貸倒引当金」や「退職引当金」などの引当金は、前年度の貸借対照表と比較して増額されている場合は「加算(+)」し、前年度の貸借対照表と比較して減額されている場合は「減算(-)」します。

 

 

Step2.営業外損益と特別損益の調整

「税引前当期純利益」から、営業活動に関係のない「営業外損益」と「特別損益」を調整して「営業活動に関連したキャッシュ・フロー」を求めていきます。

「費用・損失」の場合は、損益計算書に記載されている金額を「加算(+)」します。
また、「収益・利益」の場合は、損益計算書に記載されている金額を「減算(-)」します。

なお、営業活動に関係のない「営業外損益」と「特別損益」の調整を目的としていますので、営業活動に関連する「商品評価損」や「営業債権や債務に関する為替差損益」や「営業債権に関する償却債権取立益」については、調整しないことに注意が必要です。

 

 

Step3.営業活動に関連する資産と負債の増減に関する調整

営業活動に関連する資産と負債の増減に関する調整については、少し理解するのが難しいです。

「売上債権」や「棚卸資産」といった営業活動に関連する資産の場合は、前年度の貸借対照表と比較して増額されている場合は「減算(-)」し、前年度の貸借対照表と比較して減額されている場合は「加算(+)」します。

また、「仕入債務」といった営業活動に関連する負債の場合は、前年度の貸借対照表と比較して増額されている場合は「加算(+)」し、前年度の貸借対照表と比較して減額されている場合は「減算(-)」します。

「売上債権」を例に、少し考えてみます。
昨年度と「売上高」が全く同じ企業において「売上債権」が昨年度より増加しているとした場合、昨年度よりも回収できた現金が少ないという状況です。
つまり、「売上債権」が増加した場合は「現金」は減少していることとなりますので、キャッシュ・フローの計算では「減算(-)」となります

 

 

一次試験では、「営業活動に関連する資産(売上債権、棚卸資産)および負債(仕入債務)の増減により営業活動によるキャッシュ・フローが増加するのか、減少するのか」という問題が非常に高い頻度で出題されます。

 

資産・負債の増減によるキャッシュ・フローの変化

 

Step4.投資活動や財務活動に該当しないCFの調整

「Step1~Step3」により「小計」を求めましたが、「小計」より下の欄では「投資活動」や「財務活動」に該当しないキャッシュ・フローの調整を行います。

つまり、「小計」に記載されている金額が「本来の営業活動によるキャッシュ・フロー」を示しています。「小計」より下の欄には、「投資活動」にも「財務活動」にも該当せずどこにも記載することができない項目をとりあえず「営業活動」に区分して表示しようという形になっています。

投資活動や財務活動に該当しないキャッシュ・フローの調整では、収入は「加算(+)」して、支出は「減算(-)」すればよいので理解はしやすいですが、損益計算書に記載されている金額ではなく、実際に受け取った金額、または実際に支払った金額を記載するため、貸借対照表において「前払利息」「前受利息」「未払利息」「未収利息」「未払法人税等」などが計上されていないかを確認して金額を算出する必要があります。

 

 

小計の上下に表示する金額の算出方法の違い

「間接法」による「営業活動によるキャッシュ・フロー」の表示において、同じ項目であるにもかかわらず、小計より上に記載する金額と小計より下に記載する金額が異なることがあります

 

小計の上下に表示する金額の算出方法の違い

 

例えば、「Step2.営業外損益と特別損益の調整」と「Step4.投資活動や財務活動に該当しないキャッシュ・フローの調整」の両方に「支払利息」を表示する場合、「Step2(小計より上)」と「Step4(小計より下)」に記載する金額は一致しないことがあります。

これは、「Step2」では損益計算書の金額をそのまま表示しますが、「Step4」では貸借対照表に計上されている「未払利息」や「前払利息」の金額から、当該年度に実際に支払った「支払利息」を算出して表示するためです。

 

利息及び配当金に係る表示区分

「キャッシュ・フロー計算書」の作成基準において、利息と配当金に関する表示区分については、2種類の方法が認められています

本ブログでは、以下表の「区分1」に基づき解説を行っています

 

分類 項目 区分1 区分2
受取 受取利息 営業CF 投資CF
受取配当金
支払 支払利息 財務CF
支払配当金 財務CF

 


 

 

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