財務・会計 ~H29-11 財務指標の計算(1)~

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今回は、「財務・会計 ~H29-11 財務指標の計算(1)~」について説明します。

 

「財務指標」は、二次試験(事例Ⅳ)の第1問(経営分析)で必要となる知識です。
ただし、二次試験(事例Ⅳ)の第1問(経営分析)で必要な「財務指標」は限られているため、あらかじめ確認(事例Ⅳ ~①経営分析~)してから、一次試験の勉強に取り組みましょう。

目次

財務・会計 ~平成29年度一次試験問題一覧~

平成29年度の試験問題に関する解説は、以下のページを参照してください。

 

財務指標の計算 -リンク-

本ブログにて「財務指標の計算」について説明しているページを以下に示しますのでアクセスしてみてください。

 

 

試験問題

【平成29年度 第11問】

次の資料に基づき計算された財務比率の値として、最も適切なものを下記の解答群から選べ。

 

【資 料】

貸借対照表(単位:千円)
資産の部 負債・純資産の部
現金預金 40,000 買掛金 40,000
売掛金 30,000 長期借入金 60,000
商品 50,000 資本金 80,000
建物・備品 80,000 利益剰余金 20,000
資産合計 200,000 負債・純資産合計 200,000

 

損益計算書(単位:千円)
売上高 240,000
売上原価 120,000
給与 72,000
減価償却費 26,000
 営業利益 22,000
支払利息 4,000
 税引前当期純利益 18,000
法人税等 9,000
 当期純利益 9,000

 

【解答群】

ア インタレスト・カバレッジ・レシオは5.5倍である。
イ 固定長期適合率は80 %である。
ウ 自己資本利益率は11.3 %である。
エ 総資本営業利益率は27.5 %である。

 

中小企業診断協会Webサイト(https://www.j-smeca.jp/contents/010_c_/shikenmondai.html

 

考え方と解答

選択肢の一つである「インタレスト・カバレッジ・レシオ」は出題頻度がそれほど高くないため、本ブログで紹介した財務指標で紹介していません。公式が少し覚えにくく私も暗記せずに試験に臨みましたので、今回は「インタレスト・カバレッジ・レシオ」以外の指標を計算して答えを導き出してみたいと思います。
「インタレスト・カバレッジ・レシオ」の説明もページの最後に掲載しますので、余力のある方は是非ご一読ください。

 

財務指標の公式に当てはめるために、まずは貸借対照表を「流動資産」「固定資産」「流動負債」「固定負債」「純資産(自己資本)」に分類して数値を計算します。

 

(イ)固定長期適合率

固定長期適合率は「長期安全性」を確認するための財務指標であり、以下の計算式で算出します。

 

 

固定長期適合率は、会社の長期的な支払能力を分析する指標であり、数値が低いほど安全性が高いと判断することができます。逆に、100%を上回っている場合は、固定資産への投資額を固定負債と自己資本でカバーできていない状況であり安全性に問題があると判断することができます。

 

(ウ)自己資本利益率

自己資本利益率は「ROE(Return On Equity)」と表記され、以下の計算式で算出します。

 

 

自己資本利益率については別途説明したいと考えていますが、株主が企業に投資した資本でどれだけの利益を生み出すことができているのかを示しており、配当金を受け取る株主にとって重要な指標です。

 

(エ)総資本営業利益率

総資本営業利益率は「収益性」を確認するための財務指標であり、以下の計算式で算出します。

 

 

総資本営業利益率は、企業の資本でどれだけの利益を生み出すことができているかを分析する指標であり、当然ながら数値が高いほど収益性が高いと判断することができます。

個人的には、一般的に会社の総資本による活動内容を評価するのであれば、営業活動の結果である営業利益ではなく、財務活動や投資活動まで含めた企業活動全体の結果である「経常利益」で評価した方が適切だと考えますが、試験問題なのでとりあえず計算するしかないですね。

 

「インタレスト・カバレッジ・レシオ」は、以下の計算式で算出される指標です。本業の利益である事業利益(営業利益+受取利息+受取配当金など)が、支払利息などの金融費用の何倍であるかを表しており、数値が高い方が好ましい。

 

上記の結果、(イ)(ウ)(エ)の計算結果が選択肢と一致しないため、答えは(ア)です。

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